ゴンパとラカン

ブムタンの長い壁チョルテン



ブータンの宗教建築物は外壁の上部を赤く太い線がぐるりと取り囲んでいることから(そうでないものもあるが)、見た目でわかりやすい。そういった建築物の代表的なものはゾン Dzong である。


ゾン以外の宗教建築物としては、ラカン、ゴンパ、ダツァン、チョルテン、マニコル(マニチュコル)などがある(ネパール式、チベット式のチョルテンは赤い線はないが、ブータン式の壁型チョルテンなどには赤い線が入っている)。例えば、パロにはキチュ・ラカン、タクツァン・ゴンパなど。ブムタンにはジャンペ・ラカン、クジェ・ラカン、タムシン・ゴンパ、コンチョスム・ラカン、セ・ラカン(ロダク・セカル・ダツァン)などがある。これらの名称はどう違うのか。つか、違うのか?



まー、大まかに言うと


ラカン Lhakhang は、寺院、寺 Temple と訳されることが多く、言葉の意味からみると「神様の家」ということになる。つまりは、「神仏の入れ物」いうニュアンスで、管理者(堂守) Caretaker がいるだけのことが多い。だから、いきなり行っても鍵が閉まってて拝観することができないことも多々ある。


一方、僧が修行をする施設である僧院 Monastery にあたるものとしては、ゴンパ Goenpa (Goempa) をよく聞くが、これは町から比較的離れた所にある僧院を指す。つまりは人里離れたところで、修行に没頭するための施設である。一般居住地帯にある僧院 Living Temple のことはダツァン Dratshang と呼ぶ。でも、○○ダツァンという名前で呼ばれる僧院はなぜかあまりない。ブムタンのロダク・セカル・ダツァンも通称はセ・ラカンだし。このあたり、ゴンパの方が優勢なのか。