ワンデュ・ポダン・ゾン Wangdue Phodrang Dzong

bhutan2006-04-07



プーナ・ツァン・チュ Puna Tsang Chhu(サンコーシュ・チュ Sankosh Chhu)とダン・チュ Dang Chhu に挟まれた岩の上に聳える。1638-39年ガワン・ナムゲルによって建設された(1578年と推定する説もある)。ある日、彼は「眠る牛のような形のゾン」を作れば国中に平和が訪れるだろうとマイナプ Mainap という神の啓示を夢の中で受けた。それに基づき人々にゾンの建築場所を選定させていたとき、四匹のカラスが四方に飛び去って行ったのを見て、そのカラスが飛び立った場所が最適な建設場所として選ばれた。カラスが四方に飛ぶということは、宗教がすべての方向に広がって行くことを暗示していると解釈されたためである。大きな本堂には仏陀像、グル・リンポチェ像、シャブドゥン像があり壁面には仏教譚が描かれている。外壁には六道輪廻図 Srid pal Khor lo (Bhavachakra:Wheel of life) が描かれている。最初のゾンの管理者チョジ・ナンカ Choji Nangkha はゾン内部の寺院に金の屋根を追加した。 1837年には火災に遭い、修築が行われた。1897年には大地震により甚大な被害が発生した。


このゾンはプナカと近接していることから、重要性が増した。ワンデュ・ゾンポンはデシの支持者によって任命され、歴史的にもトンサ、パロに続く第三のリーダーとしての役割を担った。ここにはかつてブータンで最も美しいと言われた橋があった。この橋は300年前にラマ・ソプロ Lama Soproo が架けたといわれる。この橋は金属を一切使用していなかったが、1968年の洪水で流失し、現在はベーリー橋が残るのみである。


ゾンの歴史

1638 ガワン・ナムゲルによって建設(1578年とする説もある)
1837 火災、修築
1897 大地震
1968 洪水で橋が流失