2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

 マサンダザ訪問記

折角なので、2000 年初夏にマサンダザを訪れた時の日記を抜粋して掲載します。 6 月 23 日リンメタン着。ここからマサンダザまでは徒歩だ。日が照っていないとはいえ暑い。周囲は木が鬱蒼と茂っていて、トウモロコシ畑が続き、様々な草々が生い茂っている。…

 マサンダザの伝承

1998年に初めてマサンダザ村を訪れ、その後寺院への寄進を通じて関係を持っています。昨日の新聞記事では足りない情報もあり、某所に提供した文章の一部ですが、改変の上再掲してみました。マサンダザはコメとトウモロコシを中心とした農業を生業とし、亜熱…

 マサンザダ墳墓群

クエンセル2005-05-16 (シェルブツェ大学歴史学部講師ウゲン・ペルゲン) ブータン人は死者を火葬するが、過去には土葬の習慣があったのではないだろうか? モンガル・ゾンカクに位置するリンメタンの集落、マサンザダ Masan Daza で約 20 の土葬墳墓群が発…

 ゴンパとラカン

ブータンの宗教建築物は外壁の上部を赤く太い線がぐるりと取り囲んでいることから(そうでないものもあるが)、見た目でわかりやすい。そういった建築物の代表的なものはゾン Dzong である。 ゾン以外の宗教建築物としては、ラカン、ゴンパ、ダツァン、チョ…

ゾンカの国語化

1971年にゾンカ部門 Dzongkha Division が創設されて以来、政府によるゾンカ普及政策が推進されてきました。そして1980年代後半のゾンカの国語化を受けて、1986年にはゾンカ諮問委員会が発足し、ゾンカの標準化および普及の政治的指針が作成されました。同年…

 「ゴ」=「呉服」ってどうなの?

「ゴ」と「呉服」の関係については、過去(今は無き)某所でさまざまな確執を生みつつ議論されました。そのときの議論はうやむやになってしまったようですが、私なりの視点で少し考察を加えてみることにしました。もう少し手際よくまとめられるのではないか…

 ブロクパ(Brokpa)

(1)地理的分布タシガン・ゾンカクの最東端の2つのゲオクに分布する遊牧民族。インドのアルナーチャル・プラデーシュ州に接しているのがメラ・サクテンである。標高は3000m以上(氷河の最低標高)の氷河に削り取られた谷に住んでいる。メラはニェラ・アマ・…

 ブータン人のチベット観

ここにはチベット人に対する不適切な表現が含まれていますが、ブータン人のチベット観を理解するために必要と判断致しましたので自主規制せずに掲載します。どうか御諒承頂きたく宜しくお願い致します。 2000年のブータン旅行で、何人かのブータン人に「チベ…

ロプ(Lhop)

(1)起源ロプ Lhop を表す言葉として一般的な「ドヤ Doya」いう語は、ネパール語の「ダヤ daya」(「親切な」の意)が起源である。ネパール系移民がこのあたりに移住した際に、ロプは既に固有のコミュニティを形成していた。人見知りで親切、温和なロプの人々…

 ブータンの民族構成

ブータンは小国ながらも多民族国家を形成している。しかし、その民族的、言語的特徴や民族分布といった調査はまだ本格的に行われておらず、詳細は分かっていない。ブータンに居住する民族はその歴史的背景から大きく四つの集団に分けることができる。この四…

 現代ゾンカ新語事情

クエンセル 2003-09-06 (注:要約したため、意訳、追加、省略した部分があります。) Logrigはコンピュータ、gyangthongはテレビ、yongdrelはインターネット、numkhorは自動車…。 一般的に使用されている英語の語彙の代わりとなる数百のゾンカの新語が、ゾ…